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華やかなショーの舞台裏では、熾烈(しれつ)なサバイバルレースが繰り広げられていた。2日から19日まで開かれている「パリ国際モーターショー」は米国発の金融危機による世界同時株安の直撃を受けた。世界経済は同時不況の様相を呈し自動車販売の一段の冷え込みは必至だ。米ビッグスリーは政府に救いを求める瀕死(ひんし)の状態にある。生き残りのカギを握るのは、ガソリン高騰と景気悪化による節約志向を追い風に会場でも最も脚光を浴びるエコカー。各社は自らの命運を自慢のエコカーに託した。

 「パリサロン」。日本でこう呼ばれるモーターショーは2年に1回開催される世界最大のクルマの見本市だ。今回は世界25カ国のメーカー362社が参加し、90車種に上る新型車が会場に並んだ。

 表舞台では自信満々に新型車の性能をアピールする各社の首脳たちだが、舞台裏に用意された取材スペースに場所を移すと例外なく厳しい表情を浮かべた。

 「財務状態は非常に不安定で、業績不振につながる可能性もある」

 仏ルノーと日産自動車のCEO(最高経営責任者)を兼任するカルロス・ゴーン氏は、海外通信社などの取材にこう答えた。

 フォードモーターのアラン・ムラーリーCEOも「2009年の景気が08年より良くなることはない」と断言。米ゼネラル・モーターズ(GM)のフリッツ・ヘンダーソン最高執行責任者(COO)は「09年も上半期は下向きだ」と、悲観的な見通しを口にした。

 原油高によるガソリン価格高騰、世界最大の自動車市場である米国の販売不振、欧州などでの環境規制の強化…。モーターショーの開幕前から自動車業界には逆風が吹き付けていた。

 その逆風は、9月15日の米大手証券リーマン・ブラザーズの破(は)綻(たん)に端を発する米国の金融危機で大型ハリケーンへと発達した。

 ショー開幕翌日の3日に発表された米国の9月の新車販売台数は前年同月比27%減の約96万5000台となり、17年ぶりの低水準に落ち込んだ。金融危機は銀行の貸し渋りを通じて実体経済に波及。賃金や雇用の悪化に加え、住宅価格と1万ドルの大台を割り込んだ株価の下落による「逆資産効果」で、消費が急速に冷え込んでいる。

 2008年の米国の新車販売台数は07年の約1600万台から1400万台程度に減少するとみられていたが、トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は「世界的な経済変動が起こっており、今年は恐らく年間1400万台までいかないだろう」と一段の悪化を予想する。

 急成長を続け米国の落ち込みをカバーしてきた中国やインド、ロシアなどの新興国市場も変調をきたしている。すでに新車販売はインドが7月に、中国も8月にマイナスに転じた。

 GM、フォード、クライスラーの米ビッグスリーは、金融市場の信用収縮のあおりで資金繰りに窮し、政府に融資要請するという破綻の瀬戸際に追い込まれている。

 「自動車産業が世界経済の大変動に翻弄(ほんろう)されている。ショーと同時進行する危機は業界の先行きの厳しさを象徴しているかのようだ」

 会場で日本メーカーの関係者は、ため息をもらした。

 メーカーの淘汰(とうた)は避けられそうもない。その命運を左右するのが、将来の主力車種となるエコカーだ。エンジンと電気モーターで動くハイブリッドや電気、燃料電池自動車などが本格的な普及段階に入れば、既存のガソリン自動車からの爆発的な買い替え需要が見込める。

 環境技術で先行する日本メーカー各社は、エコカーの主導権を握ろうとパリショーでも激しく火花を散らした。

 先陣を切ったのはホンダだ。開幕日の2日に福井威夫社長は黒塗りのハイヤーで意気揚々と会場に乗り込んだ。ハイブリッド専用車「インサイト」を初公開するためだ。

 「(ディーゼルエンジン車が中心の)欧州でもハイブリッドが市場を席巻する。(価格は)200万円くらいにしたい」。福井社長は、ハイブリッドでは世界で最も安い価格を宣言し、独走するトヨタのトヨタの「プリウス」に宣戦布告した。

 対するトヨタは、近く日欧で発売する超小型車「iQ」の量産モデルを公開した。全長は3メートル弱で4人乗りとしては世界最小。徹底した軽量化で、1キロメートル走行当たりの二酸化炭素(CO2)排出量が99グラムという、ハイブリッドを凌駕(りょうが)するエコ性能を誇る。

 トヨタ欧州本部のグラハム・スミス副社長は「iQのターゲットは都市に住む人たち。現時点でライバル車はない」と自信満々だ。

 地元のルノーと日産の連合軍も気合十分。会見の最後にゴーンCEO自らがクルマを覆っていたベールを脱がせる“サプライズ演出”で、電気自動車のコンセプトカー「ZEコンセプト」をお披露目した。

 プジョーやシトロエンもスポーツカーやSUV(スポーツ用多目的車)などさまざまなタイプのハイブリッド車を展示し、パリショーはさながら“エコカー五輪”の様相をみせた。

 エコカーの開発には、莫大(ばくだい)な費用が必要だが、足元の販売不振でビッグスリーは刻一刻と体力を失っている。ここで投資を怠れば、将来の成長は絶たれ、生き残れない。業界では「ビッグスリーは新たな自動車大再編の火薬庫」(関係者)というのが共通認識となりつつある。

 金融危機を契機に、世界の業界地図が一変する可能性が高まっている。


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