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主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は10日夕(日本時間11日早朝)、各国の主要金融機関に対する公的資金を使った資本注入などを盛り込んだ行動計画を発表して閉幕した。その後の会見で、ポールソン米財務長官は公的資金注入について「早急に実施したい」と表明。危機収束のため、G7各国が団結する姿勢を打ち出した。

 中川財務相兼金融相は会見で、米国の姿勢を「大きな前進だ」と評価した。公的資金注入の重要性で、各国の認識は一致したという。

 G7後には通常、景気認識や為替など経済全般に言及した声明が発表される。それに対して今回は、わずか27行の「行動計画」だけを発表する異例の対応となった。「簡潔で明確なメッセージを送る」(中川財務相兼金融相)ため、金融危機への対応に絞り込んだ結果だ。

 行動計画では、「現下の状況は緊急かつ例外的な行動を必要としている」と危機的な状況であるとの認識を強調。5項目の合意点ではまず、金融システム全体に影響を与えるような重要な金融機関の破綻(は・たん)を避けるため、あらゆる政策手段を総動員する、との姿勢を打ち出した。

 そのうえで、金融市場の機能回復▽銀行の資本増強▽預金者保護策の3点を強調。さらに、証券化商品の流通市場について、資産の正確な評価と質の高い会計基準が重要だとした。資本増強については、安易に公的資金に依存することのないよう、民間資金の活用にも言及した。

 こうした行動が「他国に潜在的な悪影響を与えないような方法で行われるべきだ」とも指摘。他国に先駆けて預金全額保護を打ち出したアイルランドの例などを念頭に、ある国の突出した政策が危機の悪化を招くことがないよう、整合性が必要だと指摘した。

 「必要かつ適切な場合にはマクロ経済政策上の手段を活用する」として、さらなる利下げの可能性にも含みを持たせた。

 公的資金注入については、すでに発表した英国に続き、ブッシュ米大統領がG7当日の朝、「米財務省は銀行の資本増強に向けたあらゆる手段を持つ」と公的資金注入を表明。ドイツも100億ユーロ(約1兆3千億円)超の資本注入を打ち出す方向で、各国が足並みをそろえてきた。

 また、中川財務相兼金融相はG7の席上、国際通貨基金(IMF)を通じて、日本などの外貨準備を新興国向け融資に振り向ける制度の創設を正式に提案。各国はこれを歓迎し、行動計画に「今回の混乱により影響を受ける国々を支援するうえでIMFが果たす役割を強く支持する」との文言が盛り込まれた。

 G7に先立って、中川財務相兼金融相はポールソン米財務長官と約30分間会談し、金融機関への公的資金注入を中心に議論した。





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